それでも私は彼にずっと恋していた。
一気に二度読みしてしまった。前回の初戀といい、超傑作が続くなぁ。作者さんのライフワーク的作品になっているんだろうか。
◇
非常に重たい恋愛関係(ある意味命を賭した)が多い文学少女シリーズなので、本作に登場する森ちゃんと反町くんのバカップルっぷりはだいぶ癒されます。その一方でななせさんが初恋に敗れる一年をも追っているのが凄まじい。
この別の人物から語られる「琴吹ななせ」というのが、実は本作の本題だったんだろうな、と思ったりします。作中では、ツンデレじゃない、あれはツンツンツンツン……フンっだ、デレがない、とまで言われてしまう彼女ですが、その実非常に可愛らしい内面を持っています。今回はそれが恋日記にて浮き彫りになったので、よりそのギャップに心を打たれましたよ。なんで、こんなに不器用なんだ。
内面(空想)と現実のギャップをその人の「物語」を読むことで解消し、そして、現実へと立ち向かっていく様を描くというのが文学少女シリーズだと前回述べましたが、琴吹さんの場合なぜかこの「物語」を読んでもらえません。
今回登場したネタ本はすべて「詩集」でした。
ハイネもパイロンも中原中也もタゴールも、すべて詩人です。森くららさんとの恋に息詰まった時に、反町くんを助けてくれたこれらの詩人達ですが、その実すべて琴吹ななせさんのことを語っていたのではないかと再読して気がつきました。
ハイネのように片思いに苦しんでいたのも、パイロンのようにうざったいまでに恋をしていたのも、中原中也のように三角関係に苦しんだのも、ななせさんです。タゴールの所だけ今ひとつぴんと来ないんですが、頑張った彼女への祝福の詩でしょうか。
いずれにしても、今回の詩人シリーズでモチーフとされているのはすべて詩です。外伝だから「物語」じゃないのかなぁ、とも思いましたが、それにしても森ちゃんや反町くんには当てはまらない感じがします(中原中也など特に)。であれば、今巻の裏の主役琴吹さんではないだろうかと。
「物語」でなかったのは、彼女自身の物語がまだ残っているからだと思います。彼女自身の「物語」を読まれることでようやく彼女の初恋は終わるのでは、と。それは多分文学少女見習いの菜乃さんも同じなので、見習いシリーズで語られるのでは、と思ったり。琴吹さん同様、菜乃さんも相当「いい女」だと思っているので、楽しみです。あちらのシリーズもまだまだ見逃せませんね。次の傷心が発売される十二月が今から待ち遠しい。

“文学少女”と恋する挿話集 2 (ファミ通文庫)
→次巻は12月26日発売!

DVD付特装版"文学少女"見習いの、傷心。(ファミ通文庫)
→前回野村美月『“文学少女”見習いの、初戀』の感想へ
→次回野村美月『“文学少女”見習いの、傷心』の感想へ
→野村美月『文学少女』シリーズの感想インデックスへ
一気に二度読みしてしまった。前回の初戀といい、超傑作が続くなぁ。作者さんのライフワーク的作品になっているんだろうか。
◇
非常に重たい恋愛関係(ある意味命を賭した)が多い文学少女シリーズなので、本作に登場する森ちゃんと反町くんのバカップルっぷりはだいぶ癒されます。その一方でななせさんが初恋に敗れる一年をも追っているのが凄まじい。
この別の人物から語られる「琴吹ななせ」というのが、実は本作の本題だったんだろうな、と思ったりします。作中では、ツンデレじゃない、あれはツンツンツンツン……フンっだ、デレがない、とまで言われてしまう彼女ですが、その実非常に可愛らしい内面を持っています。今回はそれが恋日記にて浮き彫りになったので、よりそのギャップに心を打たれましたよ。なんで、こんなに不器用なんだ。
内面(空想)と現実のギャップをその人の「物語」を読むことで解消し、そして、現実へと立ち向かっていく様を描くというのが文学少女シリーズだと前回述べましたが、琴吹さんの場合なぜかこの「物語」を読んでもらえません。
今回登場したネタ本はすべて「詩集」でした。
ハイネもパイロンも中原中也もタゴールも、すべて詩人です。森くららさんとの恋に息詰まった時に、反町くんを助けてくれたこれらの詩人達ですが、その実すべて琴吹ななせさんのことを語っていたのではないかと再読して気がつきました。
ハイネのように片思いに苦しんでいたのも、パイロンのようにうざったいまでに恋をしていたのも、中原中也のように三角関係に苦しんだのも、ななせさんです。タゴールの所だけ今ひとつぴんと来ないんですが、頑張った彼女への祝福の詩でしょうか。
いずれにしても、今回の詩人シリーズでモチーフとされているのはすべて詩です。外伝だから「物語」じゃないのかなぁ、とも思いましたが、それにしても森ちゃんや反町くんには当てはまらない感じがします(中原中也など特に)。であれば、今巻の裏の主役琴吹さんではないだろうかと。
「物語」でなかったのは、彼女自身の物語がまだ残っているからだと思います。彼女自身の「物語」を読まれることでようやく彼女の初恋は終わるのでは、と。それは多分文学少女見習いの菜乃さんも同じなので、見習いシリーズで語られるのでは、と思ったり。琴吹さん同様、菜乃さんも相当「いい女」だと思っているので、楽しみです。あちらのシリーズもまだまだ見逃せませんね。次の傷心が発売される十二月が今から待ち遠しい。

“文学少女”と恋する挿話集 2 (ファミ通文庫)
→次巻は12月26日発売!

DVD付特装版"文学少女"見習いの、傷心。(ファミ通文庫)
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